満月の撮影場所の下見で、鹿島川のほとりで試し撮りをしている時、向こう岸に白い塊が見えた。ひょっとしてあれは白鳥のコブちゃんか、望遠レンズで覗いてみると、確かに白鳥だった。

 

 

川のほとりにいるコブちゃんに近づいてみると、こちらのことを覚えてくれていたのか、それとももう人間慣れしているのか、まったく警戒するそぶりは見せない。

 

 

 

 

旧交を温めようと近づいていくと、コブちゃんもこちらに近寄ってきた。羽根を持ち上げているから、いつぞやのように親愛の情を示しているのかなと思ったが、それは大きな間違いであった。

 

首を伸ばしてきて、当方の靴を突くではないか、それもかなりの強さで！慌てて足を引っ込め、もう一度コブちゃんの方に足を踏み出してみた。また突かれた。

 

 

 

 

どうやらそのあたりはコブちゃんの縄張りのようだった。そこに足を踏み入れると、縄張りを侵されたと思って攻撃してくるということなのだろう。何回か試してみたところ、近づけるのは1～2メートルが限度だった。

 

また羽根を持ち上げたり、膨らませるのは親愛の情の発現と思い込んでいたが、どうやら相手を威嚇するための姿態のようだ。