コロナ感染対策_日本とフランス

当初5月11日までだった緊急事態宣言が、月末まで延長されることになった。対象は東京・大阪・兵庫・京都の4都府県に加えて、新たに愛知県と福岡県も対象地域となった。なお千葉県に出されていた「蔓延防止」措置も延長された。

 

3度目のロックダウンとなったフランスの状況は、その後どうなったのだろうか。

 

2021年5月10日(月)の日本・フランスの感染者・死亡者数

2021/5/10 現在 フランス 日本
累計感染者数 5,780,379 647,003
 前日比  3,292 増  4,857 贈
累計死亡者数 106,684 10,931
 前日比   292 増  71 贈

Google 統計情報

この統計データを見るかぎり、たしかに感染者数・志望者数は圧倒的に違う。しかし、この違いをもって、日本の感染状況を『さざ波』(高橋洋一内閣官房参与)などと言うことは、感染者数が60万人、死亡者が1万人を超えてしまった日本の状況のあまりにも乱暴な捉え方と言わなければならないだろう。5月10日の時点では、日本の感染者数の方がフランスよりかなり多くなってしまっているのだ。

 

フランスで、厳しい外出制限が実施されたのは、4月3日からだった。5月2日までの1ヶ月間、フランス全土で全日・毎日の外出制限が課せられた。そのほか、実施された制限(一部のみ抜粋)は、以下のようなものだった。

●生活必需品を除くすべての店舗・施設を閉鎖する。

●自宅から10km圏内の外出は外出証明不要で時間は無制限。10km圏外に移動する際は外出証明が必須となる。

 

フランスで外出制限が実施された日の前日の感染者・死亡者数は、以下の通りだった。惨憺たる状況で、これでは3回目のロックダウンを実施せざるを得なかったのも分かる。

 

2021/4/2 フランス 日本
新たな感染者数 46,677 2,714
新たな死亡者数 332 18

 

『1月に3度目のロックダウンが予想されていたが、経済的破綻を懸念し、政府は4月初めまで、決心できずにいた。』

沖縄タイムス_久高泰子通信員

この記事によれば、あのフランスでも人命より経済優先で、感染拡大を招いてしまったということなのだろう。

 

なおこの記事には次のようなことも載っていた。

『コロナ発生以来、日本人が中国人と間違われ、暴力を受ける事件が何件か発生し、外出を警戒する日本人もいる』

 

さて外出制限解除は、どのようなスケジュールで行われるのだろうか。2021年4月29日(木)、マクロン大統領が発表した制限解除のスケジュールは以下のようなものであった。以下にスケジュールの一部を「トリコロル・パリ」から抜粋しておく。かなり細かく段階を踏んで、徐々に制限を解除していくことが分かる。

 

5月3日(月)
*地方内移動の10km制限を解除(外出証明も不要)
*地方間移動を解禁
*夜間外出禁止(夜7時〜朝6時)・テレワークは継続


5月19日(水)
*夜間外出禁止の時間帯を夜9時〜朝6時に変更
*生活必需品以外の店舗の営業再開
*飲食店のテラス席を再開(1つのテーブルに最大6名)
*美術館、観光スポット、着席の映画館、劇場を再開(屋内800人まで、屋外1000名まで)
*屋内外のスポーツ観戦を再開(屋内800人まで、屋外1000名まで)

 

6月9日(水)
*夜間外出禁止の時間帯を夜11時〜朝6時に変更
*飲食店の店内営業を再開(1つのテーブルに最大6名)

 

6月30日(水)
*夜間外出禁止を解除

*物理的距離をとる、手洗い、咳エチケットなどの対策はこれまでどおり徹底する。

 

ここに至って、やっと外出制限が全面的に解除されることになるのだ。

2021年05月11日|日乗:日乗