目下のところ、ウェブブラウザは「Firefox」を常用している。ニュースサイトを閲覧するときもこの「Firefox」を使うのだが、最近「アレッ!」と思うことがあった。「朝日新聞ディジタル」の記事を読もうとしたときのことだった。
トップページは問題なく開くことができたのだが、記事の各項目をクリックしても、まったく画面が動くことはなく、リンク先のページが表示されないのだ。今までこんなことはなかった。
他のニュースサイトを試してみたところ、例えば「毎日新聞」「読売新聞オンライン」「日本経済新聞電子版」「産経ニュース」「TOKYO Web」「47NEWS」などは、各項目のリンク先も問題なく表示できた。
こうなると、なぜ「朝日新聞ディジタル」だけがダメなのか、という疑問が生じる。そこでまず、ブラウザを変えてみた。ブラウザのトップシェアを独走する「Chrome」と2位の「Edge」でアクセスしてみた。その結果、両者ともに各記事も問題なく表示できた。
となると、「Firefox」がこの問題に絡んでいるということになる。そこで次に「Firefox」の設定を確認してみることにした。
メニュー > 設定 >プライバシーとセキュリティ
このように辿っていくと、以下の項目が表示される。
強化型トラッキング防止機能
Cookie とサイトデータ
ログインとパスワード
履歴
アドレスバー
許可設定
セキュリティ
詐欺コンテンツと危険なソフトウェアからの防護
証明書
HTTPS-Only モード
最初の項目「強化型トラッキング防止機能」は、『トラッカーはあなたの習慣や興味に関する情報を収集するために、オンラインであなたを追跡します。Firefox
はこれらのトラッカーや悪意のあるスクリプトの多くをブロックします。』という機能で、「標準」が初期設定となっている。
「標準」については、『保護と性能をバランスよく。ページが正しく機能するように読み込みます。』と説明されている。
『Firefox は以下のものをブロックします:』
ソーシャルメディアトラッカー
クロスサイトトラッキング Cookie
プライベートウィンドウのクロスサイト Cookie
プライベートウィンドウのトラッキングコンテンツ
暗号通貨マイニング
フィンガープリント採取
ソーシャルメディアのサイト運営者は、サイト訪問者を追跡して個人情報を収集することに知恵を絞っている。それをブロックするのが「強化型トラッキング防止機能」ということなのだろう。もしこれに引っかかって、ページが表示されなくなっているなら、この機能を解除すれば、表示されるようになるはずだ。
そこで、この機能を「標準」から「カスタム」に変更してみた。そして「ブロックするトラッカーとスクリプト」を選択してみた。
まず先頭の「Cookie」のチェックだけを外してみた。
→ 各記事はやはり表示されない
次に「トラッキングコンテンツ」のチェックだけを外してみた。
→ 各記事は問題なく表示できた
これだけの確認手順で分かったことは、「朝日新聞ディジタル」の各記事は「トラッキングコンテンツ」だということだ。つまりサイト訪問者の動きが追跡されているということなのだろう。
なぜ最近になって、「朝日新聞ディジタル」の記事だけが表示されなくなったのだろうか。それは「Firefox」が関係しているのだろう。つまり「トラッキング防止機能」が強化されたからではないだろうか。
「Firefox」の最新バージョンは「91.0」、そしてこのバージョンは「August 10, 2021」にリリースされていた。
See what’s new in Firefox!
Version 91.0, first offered to Release channel users on August 10, 2021
(moz://a より)