ヴェルサイユ宮殿
旅番組で、『ひろしです』の「ヒロシ」さんがフランスのパリを訪れたとき、ヴェルサイユ宮殿にも立ち寄った。立ち寄ったといっても、門の所までで、その辺り出会った現地の人と、フランス語など分からないはずなのに、笑いながら言葉のやりとりをしていた。意思疎通が正確にできていたかどうかは別にして、言葉も分からない異国の人と談笑するなんて、ほんとうに摩訶不思議な光景だった。
かく言う私も、外国で何回か話しかけられたことがあった。夫人の方が英語は堪能なのに、どうして当方が声を掛けられるのか、いまだもって不思議でならない。
アメリカのグランドキャニオンでも、同じような年格好の男性から声を掛けられたことがあった。貧弱な英語力ではよく聞き取ることはできなかったが、どうやらグランドキャニオンについて説明してくれているようだった。
「英語は話せないんです」ぐらいは英語で言えるが、それを言い出すきっかけもつかめないまま、取りあえず時々うなずきながら聞いていた。こういう態度が良くないのだろう、分かっていてくれるものと思い込んで、さらに話を続ける。
ただ黙っているだけでは悪いので、時々分かる単語が出てくると、それをオウム返しに繰り返して言ってあげる。相手はうれしそうな顔をして、さらに話に熱がこもる。そのようなやり取り(やり取りとは言えないかもしれないが)がしばらく続いてから、やっと解放してくれるのだった。たぶんその人は、当方のことを英語がよく分かる人間だと思ったまま去って行ったことだろう。
さて、「ひろし」さんは入場料をとられるのを口実に、宮殿内には入らなかった、それが正解だったのでしょう、入場しても番組内容からすれば、取れ高は期待できそうににもなかったから。
当方が参加した見学ツアーは、日本語に堪能なフランス人ガイドさんの案内で、宮殿内をゾロゾロと見てまわった。